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お薬の飲み方・使い方

2018/2/3(土)

お薬の飲み方・使い方

お薬には形の似ているものそうでないもの、いろんなものがあります。それぞれのお薬には適切な使い方があります。医師や薬剤師の話をよく聞いて、また説明書に書いてあることを正しく守って治療を行いましょう。

 

あなたのお薬はあなただけのお薬です。

お薬は、その都度症状に合わせて処方されています。以前と同じ症状だからと勝手に判断して飲んだりすることはしないでください。また、他の人が自分と同じ症状であっても、自分のお薬をあげたりするのは絶対にやめてください。

 

お薬の用法と用量を守りましょう。

お薬を有効かつ安全に使うためには、お薬の用法・用量(飲むタイミングと飲む量)を正しく守ることが重要となります。
ではなぜ、用法・用量が大切なのでしょう? 
お薬を飲む時間は、作用の仕方を考慮して決められます。
お薬には目的とする効果とは別に、人の体にいろいろな作用を及ぼす場合があります。そのため、飲む時間によっては、日常生活に思わぬ障害を及ぼす場合があります。例えば、利尿剤を夕方以降に服用すると、夜間に尿が近くなって眠れなくなってしまうことがあります。飲むと眠くなる風邪薬や安定剤、かゆみ止めを飲んだ後は、車の運転等は控えなければ事故を起こす危険があります。
また、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者さんに処方される胃酸分泌抑制剤は、特に就寝中や空腹時の胃酸分泌を抑えることが効果的なため、寝る前の服用が望まれます。
このように、お薬を飲む時間は、お薬の副作用の防止や作用の仕方を十分考慮して決められるので、ラベル・薬の袋等をよく見て、用法・用量を確かめてください。

 

お薬の用法(飲むタイミング)には次のようなものがあります。

  • 起床時
    起きてすぐ(朝食の前)に服用します。
  • 食前
    食事をとる30分前を目安とします。食事によって吸収が低下するような場合などにこの服用方法が選ばれます。
  • 食直前
    食事をとる直前に服用します。食前5〜10分以内を目安とします。
  • 食直後
    食事を終えた直後に服用します。胃の中に食べ物がある状態でないと吸収が悪かったり、副作用が強くなる場合などに選ばれます。
  • 食後
    食後30分を目安とします。必ずしも30分待つ必要はなく、お腹が落ち着いたころに服用します。
  • 食間
    食事と食事の間の空腹時のことで、食後2時間を目安とします。
  • 寝る前
    就寝前に服用します。睡眠剤などは布団に入る時に服用しましょう。
  • 頓用
    毎日定期的に服用するのではなく、必要な時だけ服用することです。痛み止めや解熱剤がその例です。

 

お薬Q&A


飲み方・使い方

  • 食事の前か後かで違いがあるのですか?
    お薬によっては、食事の有無で効果が強く出すぎたり、まったく吸収されなかったり、食事と一緒に飲まなければ、消化管の粘膜を痛めてしまう場合があります。飲み方をきちんと守らないと効果が出るどころか、副作用のほうが強く出てしまうようなお薬もあります。
  • 飲み忘れた時はどうすればいいですか?
    お薬を飲み忘れた場合の対処法は、お薬の種類によって異なりますので、ご自分で判断せずに、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
  • 水なしで飲んでもいいですか?
    お薬を水なしで服用すると、胃や腸でお薬が十分に溶けないため吸収されなかったり、お薬が食道に残って潰瘍になることがあるので、お薬は必ずコップ1杯以上(150mL以上)の水または白湯で服用してください。ただし、最近は口腔内崩壊錠(OD錠)など、水なしで服用できるお薬もあります。詳しくは医師、薬剤師にご相談下さい。
  • 水以外のもので飲んでもいいですか?
    お薬によっては吸収が妨げられたり、効果が強く現れる場合がありますので、お薬は効果に影響を与えない水または白湯で服用してください。
  • 良くなった気がするので、途中で飲むのをやめてもいいですか?
    医師は患者さんの病態や症状に応じてお薬を処方しますので、服用回数や日数は確実に守ってください。ご自分の判断で飲み方を変えたり、服用を中止しないで、必ず医師にご相談ください。お薬の種類によっては、急に服用を中止することで症状を悪化させるものがあります。また、決められたとおりに服用することは、医師がお薬の効果を適切に判断するためにも大切なことです。なお、お薬の服用によりアレルギー等の症状が現れた場合には、すぐに医師にご連絡ください。
  • お薬を飲み始めてからアレルギーや体に異常が起こったらどうすればいいですか?
    どんなお薬でもアレルギー反応が起こる可能性があります。お薬を服用後に発疹などの症状がみられた場合には、すぐに医師にご連絡ください。また、お薬を服用していて、体に何か異常を感じた場合には早期に受診するようにしてください。
  • 以前もらったお薬で残っているものがあるのですが、同じような症状のときに使用してもかまいませんか?
    同じような症状であっても、医師の診断・指示がない場合は、使用しないでください。風邪をひいて熱があるために、以前にもらった良く効いたある解熱鎮痛薬が残っていたので使用したところ、インフルエンザ脳炎が悪化して死亡したという例が報告されています。自己判断でお薬を服用するのではなく、診察を受けたうえで適性にお薬を使いましょう。
  • 錠剤を噛み砕いたり、カプセル剤を外して服用してもかまいませんか?
    錠剤やカプセル剤には様々な工夫が施されている場合があります。噛み砕いたりカプセルを外して服用することで効果が低下してしまったり、逆に効果が増強して危険な場合もあります。錠剤やカプセル剤が服用しにくい場合は、医師にご相談ください。

点眼薬・眼軟膏

  • コンタクトレンズを装着したまま、目薬をさしても良いですか?
    コンタクトレンズをはずしてから、目薬を使用してください。一般にソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズは多孔性であるため、薬剤や保存剤を吸収してコンタクトレンズに、薬がたまることになります。その場合、長時間薬に角膜がさらされることになり、目に刺激を与えたり、レンズの性状に影響を与えることがあります。
  • 2種類以上の目薬が処方されましたが・・・
    原則として、よく効かせたいほうの目薬を後に点眼しますが、少なくとも3〜5分間以上の間隔をあけて使用してください。
    眼軟膏が処方されているときは、効果の発現が液体の目薬より緩やかで効き目が長いの最後に塗布するようにしてください。点眼の順番については、医師・薬剤師に確認してください。

うがい薬

  • うがいの時に飲んでしまいました。だいじょうぶ?
    薄めた液を飲んだぐらいでしたら問題ありません。
  • 歯が着色する?(イソジンガーグルの場合)
    用法・用量、薄め方に従って通常の使用をしている場合は心配ありません。使用量や使用期間によっては、ヨウ素が着色する場合がありますが、時間の経過とともに元に戻ります。

塗り薬(軟膏・クリーム)

  • 軟膏とクリームの使い分けは?
    皮膚の表面が傷ついていない時は、クリームを使用し、傷があるときには軟膏をつけると効果的です。また、皮膚の乾燥具合で使い分けたり、軟膏の使用はベトベトとし不快感を持つ方にはクリームを使用する場合もあります。さらに患部の状態を見て効果的なものを医師は選択していますので、勝手に使い分けるのはやめてください。
  • 軟膏の特徴は?
    軟膏は、皮膚刺激性が少なく、表皮に油脂膜を作り、皮膚の被覆保護を有し、軟化作用と肉芽形成作用があります。表皮からの分泌物がある場合は、その除去能はないため、分泌物が貯留し、逆に汚染源となって悪影響を及ぼすことがあります。
  • クリームの特徴
    皮膚刺激性が軟膏よりもあります。クリームは、水分を含有していることから、皮膚面から水分が蒸発して冷却作用を示します。この作用は、炎症およびかゆみを抑えます。また、皮膚からの分泌物の吸収作用がありますが、分泌物が多い場合には、皮膚への浸透力もあるため、分泌物が再吸収されて症状を悪化させることがあります。
  • 塗る場所によりお薬を変えるのはなぜ?
    顔面・首の皮膚は、薄く脂腺が多く集まり、発汗も多いことに加えて、常に日光の影響を受けています。また、脇の下・陰部付近は、皮膚を通じてお薬の吸収しやすい場所であり、副作用が発現しやすい場所です。このように、部位によって薬の効果が変わってくることがあるため、特にステロイド剤では、場所により強さの違う薬を使い分けるのです。

保管方法

  • お薬はどのように保管したらよいですか?
    お薬は保管状態が悪いと変化を受けやすく、効果に影響を及ぼすことも考えられます。お薬は、湿気、高温、直射日光に弱いため、これらを避けて保管してください。缶などに入れて保管することがよいでしょう。また、お薬は小児の手の届かない所に保管してください。なお、特に注意が必要なお薬については、薬袋に保管方法についての指示を記載していますので、それに従って保管してください。

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