薬剤部長あいさつ福井大学医学部附属病院薬剤部のホームページにようこそ。 |
たくさんの情報を目の前の一人の患者さんのために活用する
役に立つ1つの情報を構築し、多くの患者さんに活用する
人々の健康と福祉の向上に貢献する薬剤部をめざす
薬剤師全員がプロフェッショナルであることを自覚する
福井大学医学部附属病院薬剤部のホームページにようこそ。
私は、昭和58年4月に本学医学部附属病院の開設メンバーとして薬剤部(技術職)に採用され、23年間にわたり薬剤師業務と臨床研究に携わってきました。その後、薬学部6年制の施行に伴い、平成18年4月に母校である名城大学の医薬品情報学研究室の教授として赴任し11年間にわたり研究室を主宰してきました。この度ご縁があり、平成29年4月より福井大学医学部附属病院薬剤部の教授(薬剤部長)を拝命し、再び本学にて働くことができ大変光栄に感じております。
たくさんの情報を
目の前の一人の患者さんのために
活用する
役に立つ1つの情報を構築し、
多くの患者さんに活用する
人々の健康と福祉の向上に貢献する
薬剤部をめざす
薬剤師全員が
プロフェッショナルであることを
自覚する
"最高・最新の医療を安心と信頼の下で" の病院理念のもとに、医療チームの一員である薬剤師が医療および薬物療法における安心・安全の担い手として病院の発展と医療へ貢献できるよう、薬剤部の管理・運営および教育に尽力したいと考えています。また、薬剤部内の構成も従来型の縦割り業務でなく、スタッフが幅広い業務を経験し、多種多様な要求に柔軟に対応できるような体制づくりを心掛けています。
出張の際に、東京駅の丸の内側にある日本郵政が手がける古い5階建ての時計台、その外観を残したビルである「KITTE」、最新の技術を用いて建てられた近代的なJPタワーを見るたびにいつも思うことがあります。それは、「次の飛躍のために大きく変えなければならないところ」と「絶対に変えてはいけないところ」を意識するということです。仕事を楽しくする工夫に業務改善や臨床研究を位置づけ、自分で課題を設定して解決する、 現状を嘆くなら自分が変えてやるという気概を持った薬剤師の育成を目指して薬剤部員全員で研鑽していくつもりです。
若手の薬剤師の中には、「なぜ、薬剤師の仕事はつまらないのか?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実は、私もその一人でした。大学を卒業し、初めて就職した当時は「患者さんのために!」と高い志を抱き仕事に励んでいました。しかし、それが3年〜5年が過ぎる頃から毎日の薬剤師業務が単調な反復作業だと感じ始めます。その後の薬剤師たちの経過をよく観察してみると「心の中にぽっかり大きな穴が開き、もう働きたくないと叫んでいる方」と「目をキラキラ輝かせながら薬剤師の仕事に励んでいる方」に大別できます。このターニングポイントは何であろうか? その時に私の脳裏を過ぎったのは、「厭々(いやいや)する労働はかえって人を老衰に導くが、自己の生命の表現として自主的にする労働は、その生命を健康にする。」という与謝野晶子の言葉です。すなわち、その分岐点は「自分で課題を設定して解決できるか」、「現状を嘆くなら、自分が変えてやるという気概を持ち仕事を楽しくする工夫に取り組めるかではないか」と思います。その工夫の一つが私の考える"臨床研究"です。
臨床研究における研究疑問は、臨床現場の中からしか出てきません。しかし、臨床現場の薬剤師が多くの患者さんに接し、臨床経験を積んだだけで疑問は出てくるでしょうか?芸人さん(テツandトモ)は、「昆布が海の中でダシが出ないのなんでだろう?」と日常の何気ないことを疑問として繰り広げるために鋭い観察をしています。この芸人さんは、一発屋と思われがちですが、いまだに営業のオファーが絶えず、営業のギャラで現在の貯金額が億を超えているという噂がネットニュースで話題になっています。
要するに臨床の漠然とした中に潜む何気ない「なんでだろう?」を臨床疑問として取り上げ、さらに研究疑問へと繰り広げていくことが大切です。
例えば、調剤業務の中に薬剤疫学の考え方、病棟薬剤師業務の中に観察的研究の視点を導入してみると、患者さんと向き合っている臨床現場だからこそ初めて分かること、気付くことがあります。それがまさに臨床研究です。薬剤師として、仕事を楽しくする工夫として、臨床研究に取り組んでみませんか。
最後に、貴方が、勤務時間終了まで時計とにらめっこの「イライラさん」になるのか、それとも臨床研究に取り組み健康で素敵な「キラキラさん」になれるかは貴方自身の考え方・取り組みにかかっています。
福井大学医学部附属病院薬剤部
教授・薬剤部長 後藤伸之 (Nobuyuki Goto)